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セカオワtreeの収録曲完全解説ざます

      2015/05/20


セカオワのtreeを聞いたざます。

写真
出典:ママが初出演したドラえもん1巻ざます

セカオワtreeの収録曲完全解説ざます

セカオワが1月14日にニューアルバムの「Tree」を発売したざます。スネちゃまがフラゲしたCDを聞いてみたざます。

セカオワ tree

1. the bell

38秒のインストゥルメンタル。オープニングざます。チャペルの鐘(bell)の音ざますから「炎と森のカーニバル」のイントロへのつながりが良いざます。もちろん「炎と森のカーニバル」だけでなく、アルバム全体に対する予告編という面もあるざます。マネージャーの指示で作られた部分ざます。

2. 炎と森のカーニバル(6thシングル)

戀愛から入りあまり深めずにファンタジーにスライドする近年の深瀬得意の文体ざます。葛飾総合高校吹奏楽部が伴奏を担当し茨城県の小学校の校庭で2104年2月に収録されているざます。ドラム代わり花火の音も使われているざます。生音を多く使うのは、フルに電子音を使うきゃりーと好対照。深瀬さん自ら交際相手とのことを書いた曲だとツイートしているざます(2014年7月17日)。

3. スノーマジックファンタジー(5thシングル)

ほぼファンタジーで固められた曲で恋愛要素は薄くなっているざます。2014年1月22日に発売され14万枚を売り上げて年間でも49位に食い込んだ2014年最大のヒット曲ざます。57位だったDragon Night との差は年末時点で2万2千枚くらいだったので紅白効果で総売り上げは追い抜かれていると思うざます。スノーランドと呼ばれる冬の妖精が登場する歌詞で、冬の妖精について歌った歌詞、初恋相手の比喩、生と死について歌った歌と様々な捉え方ができる懐の深い楽曲ざます(詳細は曲名をクリックざます)。

4. ムーンライトステーション

深瀬氏が「これがアルバムの中で唯一の夏っぽいニュアンスの曲だね」と語っているように、和太鼓、琴、三味線、篠笛(木製の横笛)、神楽鈴など日本の夏のお祭りらしい音が存分にサンプリングされているざます。面白いのが蒸気機関車の音が時折サンプリングされていることざます。

セカオワのファンはもちろん蒸気機関車をリアルで体験したことはないと思うざますけど、何となく日本の原風景として何となく雰囲気は知っている」という人も多いと思うざます。炎と森のカーニバルの解説で「曲調は新しいざんすけど、背後に流れているのは誰もが小さいころに行ったことがある遊園地のカーニバルや、シンデレラ、白雪姫などの絵本の世界観ざます」と書いたざます。この曲も同様の狙いがあるざます。

音楽(をはじめ文化)の本質は「時空(時間と空間)を捻じ曲げて一瞬で遠いところへ連れて行くもの」ざます。蒸気機関車の存在は「遠さ」を示しているざますが、お祭りという小さいころに誰もが体感したことがある「近い」世界を媒介にしているで違和感は感じないざます。

非常に批判されやすいアーティストざますけど、いろいろと「分かっている」と言っていいざます。芸術を分かっていると言うよりも、売れる芸術を分かっているということざぁます。

5. アースチャイルド

2013年5月のシングル「RPG」のB面(カップリング)ざます。イントロはアメリカの古い映画のような雰囲気ざますが、実際には宇宙人のラジオ放送ざます。ケンタウル星から宇宙に生放送という設定ざます。

作詞はSaoriさん。僕らは秘密基地へ向かう。「暗号はそれぞれ持ち寄った『敗北』」ということで、小さな子どもが大人の「普通」や「常識」に打ちのめされ秘密基地で夢を語るような設定ざます。

ちょっと辛口になるざんすけど、これは子どもの頃誰もが味わった出来事を「そのまま」歌詞にしただけざます。芸術作品ざますからそのままはナシで、深く掘り下げたり比喩の形を取ったりしてほしかったところざます。辛口で申し訳ないざますけど、深瀬氏の方が歌詞作りは現状ではよく分かっていると思うざます。

作曲はNakajinさん。やはり深瀬作品に比べるとポップとは言えないざますし、イントロの宇宙ラジオの設定が、全体のテーマと溶け合わずまとまりが悪いざます。アルバムの5曲目は、ハイレベルなアルバムならシングルにしてもおかしくない曲が来ることが多い位置ざますから少し残念ざます。

6. マーメイドラプソディー

プールで収録された曲ざます。作詞はSaori。水族館に飼われた人魚を比喩にした歌詞ざます。人は自由を与えられていない人魚に同情するざんす。

でも、人魚には会いに来てくれる人がいるざます。私はいま幸せだから「煌めく不自由なダンスホール」に会いに来てねという歌詞ざます。女性にしか書けない歌詞で主題がしっかりしていて良いと思うざます。ちなみにこの作品はセカオワには珍しい「詞先」ざます。

オープニングの変わった音はメテオラという熊本に世界で1台しかない水を使った楽器ざます。サビの時に演奏されている水音のようなバブルシンセが印象的ざます。

セカオワ深瀬が「あったかいんだからぁ〜」生歌声公開を許した理由ざますの記事では、深瀬さんのボーカルもさすがに機械を通さないと聞くに堪えないざますと書いてしまったざんす(本人も歌唱力に課題があることは認めているざます)。しかし、Nakajinのボーカルからスタートするこの曲を聴くとやはりこのメンバーなら深瀬がベストというのは分かるざます。

7. ピエロ

「炎と森のカーニバル」のB面(カップリング)ざます。お風呂で収録されているざます。サーカスのピエロを比喩にした応援歌ざます。象の鳴き声などサーカスらしいサンプリングがされているざます。心臓の音もサンプリングされているざますけど、これは音が小さすぎて5階まで走って録ったそうざあます。落ち着いた曲調で、アルバム内ではつなぎの曲ざます。

8. 銀河街の悪夢

インディーズの頃に作られていて今回採用された曲ざます。作曲はNakajin。「5.アースチャイルド」は今一つとママは思ったざますけど、この曲は古い歌謡曲のような味わいがあるざます。古い歌謡曲や映画では、線路沿いのくたびれたアパートというよく使われるモチーフがあるざますけど、サンプリングに踏み切りの音が使われているざます。

9. Death Disco

ネット配信限定のシングルざます。2013年10月発売。Saoriが初めて深瀬にこの曲を聞かせてもらった時、「うーん…」とNGを出した曲ざます。しかし深瀬はアレンジをすれば良くできると譲らなかったとのことざます。

実際にアレンジの勝利ともいうべき曲ざます。深瀬さんは雑誌のインタビューで「歌っていて一番楽しい」と答えているざます。ママからもおすすめざます。

10. broken bone

ネット配信限定で深瀬の骨折をテーマにした小品ざます。遊び感覚の小品らしく3分を切る構成で聞き流すのにはちょうど良いざます。曲順を決めたマネージャーは、恐らくシングル2曲を含む残り3曲で勝負をかける前の「小休止」と設定しているざます。

11. PLAY

Saoriが作詞作曲の珍しい曲ざます。RPGゲームの舞台をテーマにした作詞ですが単刀直入すぎてちょっと評価はしづらいざます。「5. アースチャイルド」同様Saoriさんの歌詞はそのままというのが弱点で、これでは芸術作品にならず「時空(時間と空間)を捻じ曲げて一瞬で遠いところへ連れて行くもの」という音楽の条件を満たさないと思うざます。

同じRPGをテーマにした「RPG」(作詞は深瀬)との差は歴然ざますが、スケジュール上短時間で仕上げることを余儀なくされた曲で仕方がない面もあるざます。

Saoriはピアノは一流でも作詞作曲は深瀬にかなわないと思っているのかもしれないざます。だからこそ、深瀬の夢をかなえるのが私の夢とおっしゃっているのかもしれないざますね。

Saoriが深瀬を支えようという女心は「6. マーメイドラプソディー」で上手に表現されているざます。「不自由」な人魚は深瀬の陰に隠れる自分自身のことかもしれないざます(本人も「すごい自分がモデルになっている」と発言しているざます)。

12. RPG(4thシングル)

「空は青く澄み渡り」「僕らはもう一人じゃない」。決めフレーズも曲調もしっかりしたシングル向けの曲ざます。良くまとまった曲で言うことはないざます。深瀬作品としては歌詞に重層性がなく、このタイプの曲を出し続けると厳しくなるざますけど、 スノーマジックファンタジー(5thシングル)がかなりの重層性を持つためバランスが取れているざます。

13. Dragon Night(7thシングル)

キャプチャ

紅白で披露された曲。深瀬氏のツイートによれば、この世に仲違いがなくなるようにという趣旨がある曲ざますけど、紅白では反戦歌という解釈の可能性が提示されたざます。トランシーバーのマイクはまさに戦場の兵士ざます。1914年のクリスマス休戦をモチーフにしていると深瀬がライブで発言しているざます。

全体に予想以上に水準が高かったざます。(ママ)

よくできたアルバムですね

スネ夫君のママから原稿が届いたあと通して聴きましたが良くできたアルバムだと思います。2. 炎と森のカーニバル、3. スノーマジックファンタジーとシングルを2曲投入して大きなヤマを作ったオープニングから入り、歌詞やアレンジにインパクトのある中間曲で聴き手を持たせ、10で小休止。12、13のシングル2曲へと持っていきます。マネージャーの宍戸さんが考えられたようです。

音楽の本場の英米のアーティストでもアルバムをまるごと通して聴けるクオリティを持つアーティストは一握りです。CDが売れないなかで、セカオワは王道のアルバムを作ろうとしていると思います。

過激に走りすぎずキャッチーで日本人好みのアレンジが多いシングル曲に加え、祭りのサンプリングが用いられた4. ムーンライトステーションや、少しあからさますぎ幼稚さも感じる手法ですがサーカスの象の声などをサンプリングした7. ピエロ。全体の構成は子どももお年寄りもいっしょに楽しめるように工夫されています。

深瀬氏も若い人しか聞けない音楽では仕方がないと発言しているようですし、うまくいくとかなり広い世代に広がる可能性を内包しています。アンチも多く批判しないと格好悪いという雰囲気もありますが、事務所は超大手のアミューズ事務所系ですのでサザンなどが抜けた後を埋めようとしているのかもしれません(このように書くとサザンのファンから叱られそうですが、サザンも当初はきわどい歌詞で賛否はあったはずです)。

「9. Death Disco」はペットショップボーイズというイギリスのアーティストのアレンジ方法に似ているかもしれません。もちろんパクリという意味でなく、世界中の音楽や小説作品をよく研究されているのだと思います。

(貿易会社広報部)

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1 2011年8月17日 INORI(未作成)
2 2011年11月23日 スターライトパレード(未作成)
3 2012年5月30日 眠り姫
4 2013年5月1日 RPG
5 2014年1月22日 スノーマジックファンタジー
6 2014年4月9日 炎と森のカーニバル
7 2014年10月15日 Dragon Night

その他(シングルでない曲、インディーズ時代のシングル)

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