ヒカキン・セイキン歌手デビュー

出典：HikakinTV

YouTubeテーマソング
作詞作曲：SEIKIN
編曲：TeddyLoid
歌：HIKAKIN、SEIKIN
（８月１４日配信リリース）

ユーチューバーのヒカキン・セイキンが歌手デビューしたざます。８月１４日のHikakinTVで発表されたざます。

長野県の１７歳の高校生が特技のヒューマンビートボックスをユーチューブにアップ。徐々に人気の動画チャンネルとなり、多くの人に知られる存在になったざます。その後ユーチューバーの人気トップを維持し、ユーチューブのキャンペーンでＣＭにも登場。本の出版を経て、今回の歌手デビューにこぎつけたざます。

ユーチューブの時代でなければヒカキンのビートボックスはここまで認知されなかったはずざます。それもそのはずでテレビに出るにはわずか１２チャンネル程度の番組の取材に引っかかる必要があり、多くの才能が埋もれているはずざます。自らの才能を発揮しながら、ユーチューブの可能性を拓き特技のある若者を元気づけたのはヒカキンの功績ざます。

たった１つの致命的なミスとは？

出典：HikakinTV

発表した「YouTubeテーマソング」は、歌詞、曲がやや平凡なもののアレンジがよく曲の完成度はそこそこ。ＰＶは舞台セットと多くのキャスト、ダンサーを使い完成度が高いざます。細かい所に目をつぶれば、まるで普通の歌手みたいざます。

まるで普通の歌手！実はこのことはユーチューバーが実は一番避けるべきことざます。ヒカキンは分かっているとばかり思っていたざますが、勘違いだった様子。

日本の最近３０年の芸能の歴史。それは手が届かない雲の上の芸能人から、身近な親しみやすい芸能人への変化の歴史ざます。皆さまはご存じないと思うざんすけど、山口百恵、松田聖子といった手が届かない芸能人の牙城を崩したのが秋元康のおニャン子クラブ。決して絶世の美人ではなく学校にいそうな存在。そして歌はあまり上手でないが親しみやすい。ＡＫＢがこの流れを汲んでいるざます。

そして、芸能全てがこの流れを進んでいるざます。テレビ司会者も皆さん知らないと思うざんすけど大橋巨泉といった上から目線から、池上彰など謙虚で親しみやすい人に人気が移ってきているざます。

ユーチューバーが絶対に超えてはいけない一線

そのなかでユーチューブは、近所にいそうな兄ちゃん姉ちゃんが自宅を公開して撮影するというのが最大の魅力。多くの小中高生がユーチューブに惹かれるのは、近所のちょっと面白い兄ちゃんやちょっときれいな姉ちゃんの家に、夜こっそり訪ねる感覚があるというのが一因ざます。

ママに言わせればアバンティーズの上の動画の冒頭部分のＣＧは完全にやり過ぎ。こういうことを始めたらテレビの方が技術が上に決まっているはずざーます。技術を使わずに、自宅で１カメラで撮影するからこそ手作りで親しみがあるのがユーチューバーの動画。個人の機材でできるような加工に走ったら劣化したテレビ番組に成り下がり、テレビ番組に食われるのは火を見るよりも明らかなことざます。

ママはユーチューバーを束ねるUUUMの取締役に就いたヒカキンはこのことを意識しているとばかり思っていたざます。

今回の「YouTubeテーマソング」は明らかに劣化した歌手になってしまっているざます。やはり作詞、作曲が明らかにアマチュア。それでいてアレンジや映像はテレビ的という妙なバランス。

ヒカキンは、手作りのビートボックスを駆使し、作り込みすぎない自宅や周辺での撮影でＰＶを作成すべきだったと思うざます。

この流れで各ユーチューバーが画像加工や複数のカメラによる撮影に走れば、それは単純にテレビがこれまでやってきた歴史を個人がなぞるだけ。そこから迷走が始まるざます。ユーチューバーは、近所の兄ちゃん姉ちゃんがまるでラジオのように自分に語りかけてくるからこそ、ユーチューブがテレビとの違いを保っているという事実を再確認してほしいざます。

ユーチューバーはテレビの芸能人になる道の一つに過ぎない？そうでなく全く新しいネットメディアの可能性を持っているざます。

兄弟でデビューしたのは吉

一方ヒカキンが１人でなく兄のセイキンと２人でデビューしたのは正解だと思うざます。兄弟の歌手は案外成功が難しいざますが、ユーチューブはどこかの家から放送されてくる感じが魅力。兄弟すなわち家族で歌うというのは良いことだと思うざます。

（ママ）