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ブラック確定?敗訴のワタミに女性社員の父が警告[週刊文春]

      2016/02/17


「ワタミよ 和解は免罪符でない 女性社員の父手記」などが掲載された12月17日発売の「週刊文春」最新号の見出しと注目記事です。

ブラック確定?敗訴のワタミに女性社員の父が警告[週刊文春]

 

週刊文春最新号 ワタミ渡辺美樹よ「和解は免罪符ではない」過労自殺した父の手記

出典:楽天ブックス(画像クリック対応)

✔ 2008年の6月に過労死に追い込まれた新入社員森美菜さん(当時26歳)に関して、ワタミが過労自殺を認め、1億3000万円の和解金支払いに同意しました。同時に全社員に未払いの残業代を支払うことも約束しています。

✔ 有機栽培を手がけ社会貢献をうたうワタミの経営姿勢に共感して入社した森さんは、「和民京急久里浜店」に赴任しました。居酒屋での深夜勤務の後に、早朝研修が組まれる厳しい条件のなか無遅刻務欠勤を貫いていました。

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森さんが亡くなった後、ワタミは次の様なアクションを起こしました。

✔ ワタミからの弔電のなかに、早々に「心の病」と決めつける内容があった(週刊文春)。

✔ 「縁あって、ワタミの思いに、共鳴してくれて入社してくれた一人の社員を守れなかったのは、事実。命懸けの反省をしなければならない。彼女に、心からお詫びをしなくてはならないと考えるに至りました。もう一歩、寄り添うことが、出来ていれば…一層の法令遵守 社員に寄り添う会社づくりを 約束します」との発言があった(ツイッターより)。

充分な調査もなく「心の病」すなわち本人の責任と決めつける電報を葬儀の場に送ったのもナンセンスですし、一見全面お詫びであるツイッターの発言には自己弁護が見え隠れします。

「命懸けの反省」 … 失われた命に対して「命懸けの反省」をするという言い回はどうもしっくり来ません。命懸けが命より重いことはないからです。

「もう一歩、寄り添うことが、出来ていれば」 … すでに十分に社員に寄り添っていたがもう一歩足らなかったという言い分で、やや自己弁護を感じます。お詫びは全否定が原則で「社員の気持ちに全く寄り添うことができなかった不能を恥じ」と書くべきところです。

「一層の法令遵守」 … すでに十分に法令を遵守していたがという言い分です。

✔ 今はやりの「ご心配をおかけし」という言い方が使われていないのは良いと思いますが、全体に自己弁護が過ぎた気もします。

不誠実だったワタミ側の対応

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週間文春によれば、ワタミ側の対応は遺族との面談をわずか「1回」に限定するなど不誠実なものでした。そこには録音禁止の条件までついていました。一連の対応を見ると、ワタミは責任を追求されたくない一心で動いていたといっても過言ではありません。

✔ 元新入社員の「心の病」が原因の特殊事例だった

✔ 現状でも十分に社員の心に寄り添い、法令も遵守している

✔ 謝罪内容を裁判の証拠とされたくない

企業ですからブランドイメージを損ない賠償金額が膨れ上がることを避けるのは、他の社員の雇用や出資した株主を守るためにも理解できないわけではありません。しかし不誠実との批判は逃れられないでしょう。社会は見逃さなかったようで、ワタミは2013年に赤字に転落し、2015年には虎の子の福祉事業を売却して帳簿を整えるところまで落ち込みます。

週刊文春記事によれば、父親は手記で次のように述べています。(週刊文春)

✔ 謝罪や賠償だけでなく、ワタミ社員への残業代の支払いを引き出せたことは非常に良かった。

✔ 和解は免罪符でなく、ワタミを「ブラック企業」から卒業させなければ娘から怒られる。

✔ 今後もワタミが約束を守っていくのか注視していきたい。

父親が「私事」(わたくしごと)の恨みではなく、社会全体を考えていることに頭が下がります。経営という「私事」を軸に動いてきたワタミとは対照的とも取れる経過でしたが、今後のワタミの変化に期待します。

週刊文春最新号 気になる見出しベスト5

出典:週刊文春公式サイト(2015年12月17日発売)

①ワタミ渡辺美樹よ「和解は免罪符ではない」過労自殺した父の手記
②大晦日特番 五郎丸TBS参戦で決まったフジ格闘技のKO負け
③サイバー攻撃で日本の国力が削られている
④特捜部が狙う「詐欺」学校(ウィッツ青山学園高校)
⑤無頼派野坂昭如のはちゃめちゃ伝説~大島渚殴打事件など~


 -週刊文春最新号見出し

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